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製造元：A&M
品番　393 647-2
USA盤　全8曲　デジタル・リマスター盤

スーパートランプ　『クライム・オブ・センチュリー』

オリジナルは74年作、前作から3年ぶりとなったスーパートランプのサード・アルバムです。

純粋なプログレ・バンドというよりもジャズ、ブルースからの影響を隠さない典型的ブリティッシュ・ポップ・バンドのイメージが強いバンドですが、本作ではその片鱗をうかがわせるセンスが爆発し、後の「Breakfast in America」への伏線ともなっている気がします。

実際シングル・カットされた「Dreamer」と共に、アルバムは英米でヒット、バンドは一気にブレイクを果たします。

バンドの2大個性であるリック・ディヴィス、ロジャー・ホジソンを残し、メンバーを一新、更にプロデューサーにデヴィッド・ボウイの初期のアルバムを手掛けたケン・スコットを迎え、彼等のサウンドが確立されます。

勢いに乗った彼等は前作と同じプロデューサー、ケン・スコットと共に初のLA録音を敢行し、その結果かなり陽性のポップ・サウンドを獲得しています。

独特のキーボード、サックス、クラリネットを多用したゴージャスなバンド・サウンドに加え、前述の二人の対称的なツイン・ヴォーカル体制がバラエティ豊を生んでいます。

ブルージーなハード・ロック大会からいきなり伝統的なブリティッシュ・ポップへ転調する「Bloody Well Right」や、以降のNew Waveシーンでも多用された感のある「Dreamer」での哀愁メロが跳ねる様に展開されていくポップ・センスは、いかにも英国的と言えるでしょう。

一方で叙情性とロック的ダイナミズムを融合させドラマティックな構成を見せる「Ruby」やアルバム・タイトル曲等は、当時の英国プログレのお家芸とも言え、ピンク・フロイドを彷彿させる美しさと激しさを伴っています。

基本的には全曲がコマーシャルな性能を十分に持ったメロディなのですが、ただのポップ・バンドで終わらない奥の深さが今聴いても魅力的です。

尚、本作から加わったドラマー、ボブ・シーベンバーグは、後にTHIN LIZZYに加入して有名になるスコット・ゴーハムと当時義兄弟の関係にあったようで、その関係でゴーハムは「Hide In Your Shell 貝殻のひとりごと」でバック・コーラスの一人として参加しています。

1997年度リリース盤

盤面は、ほぼ新品同様の状態です。
ジャケット（ブックレット・タイプ)も、かなり美品と思われます。
歌詞掲載有りです。